
2025年4月、フィッシング対策協議会が発表した「フィッシング報告状況」では、依然として高いフィッシング攻撃の報告件数が記録されました。これらの攻撃は、オンラインで個人情報や金融情報を狙うものであり、年々巧妙化しています。本報告書では、2025年4月に報告されたフィッシング事例やその手口、狙われたブランド、そして企業や個人が取るべき対策について詳しく解説しています。
本記事では2025年4月におけるフィッシング攻撃の最新の状況をまとめてみました。よかったら参考にしていただけますと幸いです。
2025年4月 フィッシング報告状況の概要
2025年4月におけるフィッシング報告件数は246,580件で、前月の249,936件から3,356件減少しました。この減少は一見良い兆しに見えますが、全体として依然として高い件数が報告されていることを考慮すると、引き続き警戒が必要です。

フィッシングサイトのURL件数も48,373件に減少しましたが、それでも依然としてフィッシング攻撃が広範囲にわたって行われていることが示唆されています。前月よりも若干の減少傾向は見られますが、フィッシングの手法や規模は多様化しており、毎月新たな手口が登場しています。

また、フィッシングに悪用されたブランド件数は100件で、前月より16件増加しており、特定の企業やサービスを標的にしたフィッシングが依然として強く横行していることがわかります。

▼ 2025/04 フィッシング報告状況(フィッシング対策協議会)
フィッシング手口と傾向
1. フィッシングメールの手口
フィッシングメールは非常に巧妙で、正規の企業やサービスを装ってユーザーの個人情報を狙っています。最近では、メールの件名や内容が、ユーザーが関心を持ちやすい内容に巧妙に誘導されるものが多くなっています。たとえば、アカウントの更新やセキュリティ警告など、緊急性を感じさせる内容が含まれることが一般的です。これにより、ユーザーは焦ってリンクをクリックしてしまい、その結果、偽のログインページに誘導されることになります。
その偽のページにおいては、通常のログインフォームと似たようなものが表示され、ユーザー名やパスワード、時にはクレジットカード情報などが入力されることになります。入力された情報は全て攻撃者に送信され、個人情報が盗まれるリスクがあります。加えて、こうしたフィッシングメールには添付ファイルが含まれていることも多く、そのファイルを開くことでマルウェアがインストールされる可能性もあります。
2. スミッシング(SMSフィッシング)
スミッシング、つまりSMSを利用したフィッシングも依然として増加しています。SMSは、フィッシング攻撃者が利用する手法の一つとして広く使われており、クレジットカード会社や銀行、電力・ガス会社などを装ったメッセージが送られてきます。これらのメッセージは、ユーザーが直接リンクをクリックし、偽のサイトに誘導されることを目的としています。
これらのフィッシングメッセージには「アカウントに不正アクセスがあり、すぐに確認が必要」といった文言が含まれており、ユーザーに不安を与えるような内容です。その後、ユーザーは指定されたURLにアクセスし、個人情報を入力してしまうことになります。多くの場合、これらのメッセージは非常に巧妙に作られており、見た目が正規の企業からのものと変わらないため、注意が必要です。
3. メールフィルター回避の手法
フィッシング攻撃者は、迷惑メールフィルターを回避するために様々な手法を駆使しています。たとえば、メール本文に非表示のゴミ文字列を混ぜたり、URLに不正な文字列を挿入することでフィルターをすり抜ける方法が使用されます。これにより、通常のフィルタリングでブロックされることなく、受信トレイにフィッシングメールが届いてしまうのです。
また、正規サイトのURLと無関係なURLを多数含むことで、スパムフィルターの誤認を引き起こすこともあります。さらに、Unicode文字を活用してURLを記載する手法も増えており、このような手法を使うことで、URLが一見して正規のものに見えるように仕掛けています。
フィッシングに悪用された主なブランド
2025年4月にフィッシングに悪用されたブランドは100件であり、これらのブランドが全体のフィッシング件数の大部分を占めています。特に以下の企業やサービスがターゲットになっています:
- SBI証券
- 約11.3%の報告があり、特に増加が見られます。証券系サービスは高い関心を集めるため、フィッシング攻撃のターゲットになりやすい傾向があります。
- Amazon
- 約10.7%の報告があり、フィッシング攻撃が減少したものの依然として狙われています。特にオンラインショッピングに関連するアカウント情報が狙われやすいです。
- 野村證券、VISA、Apple、ANA、マネックス証券、東京ガス
- これらを合わせると、全体の約54.8%を占めており、企業向けおよび個人向けの重要サービスが狙われています。
分野別の傾向
フィッシング報告の分野別割合は次の通りです:
- クレジット・信販系
- 約26.2%と最も高い割合を占めています。クレジットカードや個人金融関連のサービスは、特にフィッシング攻撃の標的になりやすいです。
- 証券系
- 約25.5%で、これも依然として高い割合を示しています。特に、証券取引を行っている個人投資家などが攻撃のターゲットとなります。
- EC系
- 約18.4%であり、オンラインショッピングに関連するサービスは、ユーザーが頻繁に利用するため、依然として標的となっています。
- 金融(銀行)系
- 約5.6%で、これも重要なセクターです。
- 電力・ガス系
- 約5.3%で、公共サービスやインフラもフィッシングのターゲットになりやすいです。
- 航空系
- 約4.6%であり、特に旅行シーズンになると航空系のフィッシング攻撃が増加する傾向があります。
これらの業界が主にターゲットとなっており、特に金融系と証券系の攻撃が目立っています。
対策と注意喚起
1. 利用者への注意喚起
フィッシングメールやスミッシングに対する基本的な対策として、以下のポイントが挙げられます:
- リンクのクリックを避ける:メールやSMS内のリンクはクリックせず、公式サイトに直接アクセスするようにしましょう。
- 送信元を確認する:差出人が本当にそのサービスの公式アドレスであるかを確認しましょう。
- 個人情報の入力を避ける:不審なウェブサイトで個人情報を入力しないように心掛けましょう。
- セキュリティソフトの利用:セキュリティソフトを最新の状態に保ち、フィッシングサイトやマルウェアから身を守るようにしましょう。
2. 事業者への対策
企業やサービス提供者も、フィッシング攻撃に対して積極的な対策を講じる必要があります:
- 送信ドメイン認証の導入:DMARCやSPFなどの認証技術を利用し、偽装メールの防止に努めましょう。
- ユーザー教育の実施:フィッシング詐欺に関する啓発活動を積極的に行い、ユーザーに注意喚起を促しましょう。
- 不正サイトの早期発見と対策:フィッシングサイトを早期に発見し、迅速に対策を講じる体制を整えましょう。
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結論
2025年4月のフィッシング報告状況は減少傾向にありますが、依然として高い報告件数が続いており、特定のブランドや業界が狙われています。利用者と事業者は、引き続き警戒し、対策を講じる必要があります。フィッシングの手口は年々巧妙化しており、常に最新の情報をもとに対策を強化していくことが求められます。



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