
2025年6月、トレンドマイクロの人気セキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」に、PCのファイルが消される恐れのある重大な脆弱性が発見されました。対象はWindows版で、条件次第ではパソコンが乗っ取られるリスクもあるとして、セキュリティ専門家や各種メディアが警鐘を鳴らしています。
本記事では、脆弱性の内容から影響範囲、リスク、トレンドマイクロの対応、そして私たち一般ユーザーが今すぐできる対策までをわかりやすく解説します。
ウイルスバスターの脆弱性とは?どんな問題が起きるのか

2025年6月、トレンドマイクロは「ウイルスバスター クラウド(英語名:Trend Micro Security)」にローカル権限昇格の脆弱性が存在していたことを公表しました。これにより、特定の手順を踏んだ攻撃者が、ユーザーのPC内でファイルを削除したり、最悪の場合にはシステム全体の乗っ取りにつながる可能性があるとされています。
技術的には何が問題だった?
脆弱性は、ウイルスバスターが内部で利用している「Platinum Host Service」というサービスに関する設計ミスに起因します。攻撃者がWindows上で「シンボリックリンク(仮想的なショートカット)」を細工し、これをサービスに誤って処理させることで、本来削除してはいけないファイルが勝手に消去される危険性があります。
この操作によってWindowsの重要ファイルやウイルスバスター自体の構成ファイルが消されると、パソコンの動作に深刻な影響が出る可能性があります。
どの製品・バージョンが影響を受ける?
今回の脆弱性は、Windows版のウイルスバスター クラウド バージョン17.8.1464未満に存在しています。対象製品は以下のとおりです。
- ウイルスバスター クラウド(日本国内で提供)
- Trend Micro Internet Security(海外)
- Trend Micro Maximum Security(海外)
※いずれもv17.8.1464以降では修正済みとなっています。
Mac版やモバイル版(Android/iOS)などには影響はありません。
どんなリスクがある?実際に被害は出ているの?
脆弱性があると言われても、実際にどのようなリスクがあるのかピンと来ない方も多いでしょう。ここでは、考えられる被害の内容や、現在の被害報告の有無を紹介します。
想定される被害シナリオ
- パソコン内の重要ファイルが勝手に削除される
- ウイルスバスターの一部機能が停止し、セキュリティが無防備に
- SYSTEM権限(Windowsの最上位権限)を乗っ取られ、マルウェアの実行や情報漏えいの危険性
これらはいずれもローカル攻撃が前提となっており、外部から遠隔で勝手に操作されるわけではありません。しかし、たとえば一度ウイルスに感染したパソコンがこの脆弱性を突かれた場合、被害が拡大する可能性は十分にあります。
実際の被害報告は?
2025年6月時点では、この脆弱性を悪用した実際の被害は確認されていないとトレンドマイクロは発表しています。ただし、研究者によって技術的な詳細は既に公表されており、今後悪用されるリスクが高まる可能性があります。
トレンドマイクロの対応:すでに修正パッチは配布済み
トレンドマイクロは本件について、2025年6月9日付で脆弱性情報を公開しており、同時に修正パッチの提供も開始しています。
修正バージョン
- ウイルスバスター クラウド v17.8.1464
このバージョン以降では、問題のPlatinum Host Serviceの処理が修正されており、脆弱性は解消されています。
自動アップデートに注意
基本的にウイルスバスター クラウドは自動で最新版に更新される仕組みになっていますが、自動更新を無効にしていたり、再起動をしていなかったりすると古いバージョンのまま脆弱な状態が続く場合があります。
▼ 確認方法はこちらから🔗
まとめ:安心のために“今すぐバージョン確認”を!
最後に、今回の情報を踏まえてユーザーが取るべき行動を振り返りましょう。放置せず、できることから対応していくことが、被害を未然に防ぐ鍵となります。
ウイルスバスター クラウドは国内でも高いシェアを誇るセキュリティソフトですが、今回発見された脆弱性は、放置すればファイル削除やPCの乗っ取りにつながる恐れがある重大な内容です。
とはいえ、トレンドマイクロは迅速に対応しており、すでに最新版が提供されています。バージョン17.8.1464以上であれば問題は解消済みです。
この記事を読んだ今この瞬間に、自分のウイルスバスターが最新版かどうかを確認し、安心してパソコンを使える状態を整えておきましょう。



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